学資保険とジュニアNISAを徹底比較!向いているのはどっち?FPが教える選び方とシミュレーション

2019.04.26

学資保険

教育資金を貯める方法として学資保険の他にジュニアNISAという方法があるのを知っていますか。

それぞれに特徴とメリット・デメリットがあり、どちらが良いかは家庭の現状や将来設計によります。

それぞれの特徴をひと言で表すと、「学資保険はローリスクローリターン」でジュニアNISAは学資保険に比べると「ハイリスクハイリターン」と言えます。

この記事では、学資保険とジュニアNISAの特徴とメリット・デメリットを詳しく紹介します。

また、ジュニアNISAの利回り3パターンを用意して学資保険と比較したシミュレーションを行いました。

そのうえで、学資保険に向いている人とジュニアNISAに向いている人を説明していきます。

目次

学資保険VSジュニアNISA!教育資金を準備するならどちらがいい?

学資保険とジュニアNISAのどちらを選べば良いかは、家庭によります。

学資保険はジュニアNISAと比べると「安全性が高い」です。

一方でジュニアNISAは学資保険と比較して「高い収益」が見込めます。

学資保険の特徴とメリット・デメリット

学資保険にはどのような特徴とメリット・デメリットがあるのかここでは詳しく紹介していきます。

ジュニアNISAと比較検討する際に参考にしてみてください。

学資保険の特徴

学資保険は、子供の教育資金を準備するための貯蓄型保険です。

教育資金の貯蓄とともに、契約者である親の死亡時に備えることができます。

子供の進学に合わせて、祝い金や学資金を受け取ります。

祝い金なしで、大学入学時から4年間年金のように毎年学資金が支払われるものや、中学生・高校生・大学生になるタイミングで3回学資金を受け取るものなど受取方法は色々なタイプのものが存在します。

また、貯蓄型学資保険に保障も兼ね備えた「保障型学資保険」と呼ばれる親や子の病気やケガに備えることができるものもあるのが学資保険の特徴です。

学資保険のメリット

学資保険のメリットは以下の3つが挙げられます。

1.親が亡くなった場合保険料が免除される

学資保険と他の貯蓄方法での最大の違いと言ってもいいのが、学資保険には「契約者払込免除特約」が付いていることです。

契約者である親が死亡した場合には、それ以降の保険料の払い込みが免除され、かつ予定通り学資金を受け取ることができます。

2.教育資金を強制的に蓄えることができる

学資保険の保険料支払い方法は、口座かクレジットカードからの引き落としとなります。

家計の状況に関わらず月々強制的に引き落とされるので、確実に教育資金を貯めることができます。

また、このあと「学資保険のデメリット」でもふれますが、途中解約をすると元本割れの可能性が大きいことも解約の抑止力となります。

3.生命保険料控除が適用される

学資保険は「生命保険料控除」が適用されます。

貯蓄をしながら、税金面でも控除が受けられるのは学資保険のメリットと言えます。

学資保険のデメリット

続いて、学資保険のデメリットを2つ紹介します。

1.マイナス金利の影響で返戻率が低くなった

過去には1.5%を保っていた学資保険の標準利率は徐々に下がっていき、マイナス金利政策の影響で2017年4月に0.25%にまで引き下げられました。

それに連動する形で返戻率も下がり、かつてのように効率的に貯蓄のできる商品ではなくなってしまったのが現状の学資保険です。

それでも、保険会社や加入条件次第では返戻率105%〜110%になります。

2.元本割れの可能性がある

標準利率が下がったこともあり保険会社によって、または子供の加入年齢が高かったりすると元本割れを起こす可能性があります。

また、学資保険などの貯蓄性保険は、中途解約すると元本を大きく割り込む可能性が高くなります。

ジュニアNISAの特徴とメリット・デメリット

続いてジュニアNISAの特徴とメリット・デメリットを詳しく説明します。

学資保険との違いに注目してみてください。

ジュニアNISAの特徴

「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」は、日本在住の0歳〜19歳までの子供名義での投資が非課税になる未成年向けNISAのことです。

1年間に80万円まで投資をすることができ、非課税期間は最長で5年間となります。

投資資金の払い出しは、子供が18歳になるまで原則行えません。

ジュニアNISAのメリット

次にジュニアNISAのメリットを見ていきましょう。

主に3つのメリットがあります。

1.学資保険よりも利率が良い可能性がある

ジュニアNISAは数ある株式や投資信託のなかから、将来性の見込めるものを選んで運用するので、予め利率の決まっている学資保険よりも利率が良い可能性があります。

投資した商品によっては、大きなリターンが期待できるでしょう。

2.運用で得られた利益は非課税

通常株式投資で得られた利益には約20%の税金がかかりますが、ジュニアNISAは非課税です。

低金利な預貯金の利息でさえ同じように税金が引かれます。

ですから、これはジュニアNISAに限らずNISAの最大のメリットとも言えます。

3.非課税でロールオーバーできる

非課税期間経過後は、課税口座に移したり売却する選択肢もあります。

しかし、2023年まではロールオーバーも可能です。

ロールオーバーとは、非課税期間が終わる資産を翌年の非課税枠に移動することを言います。

たとえ非課税期間が終了する時に元本を割り込んでいたとしても、ロールオーバーをして値上がりするのを待つことも可能です。

ジュニアNISAのデメリット

続いてジュニアNISAのデメリットを説明していきます。

ジュニアNISAには、主に4つのデメリットが存在します。

1.途中引き出しは課税対象

学資保険は満期以前に中途解約をすると元本を割り込む可能性が大きくなりますが、ジュニアNISAの場合には18歳までの払い出しに制限があり、18歳以前に払い出しをすると原則課税扱いとなります。

このことは引き出しをする抑止力にもつながりますから、一概にデメリットとは言えないものの、ジュニアNISAを始めるうえで注意しなければならない点です。

2.贈与税の対象となる

ジュニアNISAは年間80万円まで非課税枠がありますが、それはあくまで投資した商品で得た利益が対象となります。

両親や祖父母からのお金で投資をした場合、贈与税の対象となります。

ジュニアNISA以外にも子供への贈与があり、その合計金額が110万円を超えてしまうと課税対象となる場合があります。

3.2023年12月いっぱいで制度が終了

現状の法律ですと、2023年12月末にジュニアNISAの制度が終わります。

それ以降、新たに株や投資信託を買い増しすることはできません。

今後法律が改正され、期間が延長される可能性もなきにしもあらずですが、2023年12月までの投資期間になることを理解したうえで、計画を立てる必要があります。

そうなると、学資保険の払込み期間(一括払を除く)よりも投資期間は基本的に短くなります。

ですので、年間の投資金額は目標金額によりますが、学資保険の保険料よりも、年換算した掛金は高くなる可能性があるということです。

4.元本割れのリスク

ジュニアNISAは投資になります。

ですから、元本が保証されているというわけではありません。

学資保険よりも大きなリターンが期待できる一方で、元本割れのリスクが学資保険よりもあるということを十分に考慮しなければなりません。

学資保険とジュニアNISAを実際にシミュレーションしてみよう!

ここでは、学資保険とジュニアNISAのシミュレーションをしてみます。

学資保険は受取金総額300万円で返礼率108%に固定し、ジュニアNISAの利回りを3パターン用意して受取金や返礼率にどれくらいの差が生まれるのかを検証します。

比較しやすいように、ジュニアNISAの運用資金を学資保険の払込保険料総額に近い278万円で統一しました。

学資保険とジュニアNISAシミュレーション1

まずはジュニアNISAの利回りが年マイナス1%で進行した場合のシミュレーションを見てみましょう。

学資保険の場合

【条件】

・払込期間:12歳まで
・受取金総額:300万円

【シミュレーション結果】

・月払保険料:19,290円
・払込保険料総額:2,777,777円
・返戻率:約108%

ジュニアNISAで利回り年マイナス1%で9年間運用

(※2019年4月から運用開始2023年12月にロールオーバーして以後5年間は買い増しなどなし。以下シミュレーション2と3も同様の期間設定)

【条件】

・払込期間:2019年4月〜2023年12月までの4年8ヶ月間
・運用資金:2,780,000円(月掛金に換算:49,642円)

【シミュレーション結果】

・運用成績:2,591,141円
・返戻率換算:約93.2%

学資保険とジュニアNISAシミュレーション2

続いて、ジュニアNISAの利回りが学資保険に近かった場合(利回り年1%)のシミュレーションです。

学資保険の場合

【条件】

・払込期間:12歳まで
・受取金総額:300万円

【シミュレーション結果】

・月払保険料:19,290円
・払込保険料総額:2,777,777円
・返戻率:約108%

ジュニアNISAで利回り年1.0%で9年間運用

【条件】

・払込期間:2019年4月〜22023年12月までの4年8ヶ月間
・運用資金:2,780,000円(月掛金に換算:49,642円)

【シミュレーション結果】

・運用成績:3,040,445円
・返戻率換算:約109.4%

学資保険とジュニアNISAシミュレーション3

最後に、ジュニアNISAが利回り年2%で運用できたパターンのシミュレーションです。

学資保険の場合

【条件】

・払込期間:12歳まで
・受取金総額:300万円

【シミュレーション結果】

・月払保険料:19,290円
・払込保険料総額:2,777,777円
・返戻率:約108%

ジュニアNISAで利回り年2%で9年間運用

【条件】

・払込期間:2019年4月〜2023年12月までの4年8ヶ月間
・運用資金:2,780,000円(月掛金に換算:49,642円)

【シミュレーション結果】

・運用成績:3,322,357円
・返戻率換算:約119.5%

学資保険でお金を準備するのが向いている人

学資保険でお金を準備するのが向いている人はどのような人でしょうか。

学資保険に向いている人は主に3つのタイプがあげられます。

確実に教育資金を貯めたい人

学資保険も中途解約をしたり、保険会社や条件によって元本割れをする可能性もありますが、基本的には元本よりも受取金総額が上回る場合がほとんどです。

将来の子供のために確実に教育資金を貯めておきたいという人は、学資保険が向いていると言えます。

家計に無理なく貯めたい人

学資保険は最長で子供が18歳になるまで払い込みをすることができます。

目標金額によりますが、平均では月々1万円〜2万円の保険料を長期に渡って払い込んでいく家庭が多いということが調査でも明らかにされています。

家計に無理なくコツコツと教育資金を貯めたい人は、ジュニアNISAよりも学資保険の方が向いているでしょう。

投資経験が少ない人

投資経験が少ない、または投資未経験の状態でジュニアNISAを始めるとリスクに対する対策や管理が十分にできない可能性があります。

また値動きにも一喜一憂してしまう恐れがあり、心理的な部分もある程度コントロールする必要があるジュニアNISAよりも、安心安全な学資保険を選択した方が良いでしょう。

ジュニアNISAでお金を準備するのが向いている人

一方で、ジュニアNISAでお金を準備するのが向いている人は、以下の4つのタイプがあげられます。

学資保険よりリターンを得たい人

学資保険よりも大きなリターンを得たいという人にとっては、ジュニアNISAは向いていると言えます。

学資保険は最大でも返戻率が110%で、利回り換算すると年1%程度なので、それ以上求める方はジュニアNISAを検討してみましょう。

元本割れのリスクが取れる人

学資保険よりも大きなリターンが得られる可能性がある一方で、元本割れのリスクが学資保険よりもあるのがジュニアNISAです。

あくまで投資であることを十分に理解し、それでも良いという人にはジュニアNISAは向いています。

資金に余裕がある人

先ほどもお伝えしたように、現状ですとジュニアNISAは2023年12月までしか投資をすることができません。

学資保険の目標金額の平均が200万円〜300万円なので、例えば300万円をジュニアNISAで今から貯めたいとなると月換算で5.4万円投資しなくてはならないことになります。

ですから、資金的余裕がある人にとってジュニアNISAは向いています。

子供の年齢が高い人

学資保険には保険会社によって多少前後しますが、加入が6歳までの年齢制限があるため、教育資金を本格的に貯めたいと思った時点で子供の年齢が高く、そもそも学資保険に加入できないということもあるでしょう。

また、学資保険に加入できたとしても子供の年齢が上がるに従って返戻率は下がる傾向にあり、元本割れの可能性も出てきます。

子供の年齢が高い家庭にとっては、学資保険よりもジュニアNISAが向いている可能性があります。

学資保険とジュニアNISAを併用するという選択肢もある

ここまで学資保険とジュニアNISAいずれかで教育資金を貯める前提で話しを進めてきましたが、学資保険とジュニアNISAを併用するという選択肢もあります。

「ある一定額の教育資金は確実に貯めたいが、一方で資金を増やしたいとも考えている。」

そんな人は学資保険とジュニアNISAを併用することも検討してみましょう。

例えば教育資金の最終目標が400万円だとしたら、200万円を学資保険、もう100万円をジュニアNISAで貯めるようにして「リスク分散」することは、資産運用するうえではとても堅実な方法とも言えます。

学資保険とジュニアNISAとiDeCoを併用している家庭も

iDeco(イデコ:個人型確定拠出年金)は、加入者が毎月積み立てする形で掛金を出して、自分で選んだ商品の運用を行います。

原則60歳以降に年金または一括で受け取ることができます。

iDeCoはジュニアNISAと同じく運用中の利益が非課税であることに加えて、掛金も全額所得控除となります。

「教育資金の貯蓄」という枠を超えた「資産形成」という大きな目標に向かって、学資保険とジュニアNISAに加えてiDeCoを併用している家庭もあります。

現在の日本は、少子高齢化の影響で国民年金や学資保険の神話的なメリットも崩れつつあります。

ですから、資産形成の舵を自分で握ることを意識することが大切です。

それぞれの家庭や環境にあった方法で将来の準備をしよう

教育資金を貯める最良の方法は、家庭や親子が身を置いている環境によって異なります。

「学資保険」か「ジュニアNISA」のいずれかという選択肢ももちろんですが、目標金額や保険料や掛金の支払い期間など決めることはたくさんあり、それは家庭によってさまざまです。

ですから、まずは家計やライフプラン、教育プランといった家庭の現状とこれからを見据えた上で、貯蓄方法を決めることが重要です。

まとめ

学資保険とジュニアNISAそれぞれの特徴とメリット・デメリットの詳細を紹介しました。

また、実際のシミュレーションではジュニアNISAの利回りを3パターン用意してみましたが、具体的な数字で見るとより実感が湧いたのではないでしょうか。

学資保険とジュニアNISAのどちらが良いと言い切れないのが、教育資金を貯蓄する難しさではあります。

この記事で自分はどちらにするのか、または2つを併用するのかを決める判断材料のひとつになれば嬉しいです。

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